アツい格闘技、ボクシング!
ワイルドでかっこいいプロボクサーですが、実は彼らに給料という概念はなく、試合に勝つことで得るファイトマネーのみが収入源となっています。
つまり、試合をしなければ収入はまったく得られません。
そのため、世界チャンピオンレベルの選手を除けば、ほとんどの選手がアルバイトなどをしながら生活をしているのが現状です。
試合のために毎日血の滲むようなハードな練習をしつつ、アルバイトもこなして生計を立てる…。
ボクシングを本気で好きでなければできない仕事ですね。
ボクシング選手の気になるファイトマネー事情を相場から仕組みまで徹底解剖しちゃいます。
・ボクシングのファイトマネー相場はいくら?
・ボクシングのファイトマネーの仕組みは?
・大注目!井上尚弥のファイトマネーはいくら?
ボクシングのファイトマネー相場はいくら?
2024年1月時点での階級別の相場は次のとおりです。
- 日本ランカー(10位以内) 30万~100万円
- A級ボクサー 15~50万円
- B級ボクサー 10~30万円
- C級ボクサー 5~10万円
- 新人のC級ボクサー 3~4万円
また、回戦別の相場は次のとおりです。
- 4回戦 6万円程度
- 6回戦 10万円程度
- 8回戦 15万~20万円
- 日本チャンピオン 100万円程度
この他に、入場料・広告料・テレビ放映権料などから公式戦認定料、会場使用料などの諸経費を差し引いたものがファイトマネーとなります。
しかし、日本ランカークラスではほとんどテレビ放映などはされないので上記が1ファイトあたりのファイトマネーと考えて良いでしょう。
ボクシング選手の平均年収は?
基本的にプロボクサーの収入源はファイトマネーのみとなります。
プロボクサーのファイトマネーは1試合当たり、C級ライセンスで6万円、B級ライセンスで10万円、A級ライセンスで15万円以上となってます。
ちなみに、階級が重くなるほどプロボクサーのファイトマネーは高くなると言われています。
そして1人のボクサーが1年間にできる試合は4試合までというのが一般的。
年収の幅は50万円~200万円と推測されます。
日本チャンピオンであっても400万ほどと予想ができます。
上記収入はテレビ出演やスポンサー収入などは加味していない金額になります。
世界チャンピオンクラスにならないと高額なファイトマネーをもらうことはできません。また、選手の人気やジムの力などによって金額は雲泥の差となっています。
ファイトマネーの最高額はいくら?
過去に日本人同士の対戦で最も高いファイトマネーを記録したのは、辰吉丈一郎 vs 薬師寺保栄 戦。
1994年に行われたこの対戦はWBC世界バンタム級王座統一戦で、しかも初の日本人同士による王者統一戦でした。
注目度が高かったこの試合では、両者に約1億7000万円のファイトマネーが支払われたと言われています。
では、日本人が海外の選手と対戦した場合の史上最高額はいくらかというと…
一気に上がって、推定6億円です!
2022年に行われたWBA・IBF世界ミドル級王座統一戦の村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦で、村田選手が手にしました。
この対戦は「日本ボクシング史上最大のビッグマッチ」と銘打たれた2団体王座統一戦。
結果はゴロフキンが9回TKO勝ちで王座を統一しましたが、村田選手は日本人歴代最高額のファイトマネーという称号を得たことになります。
世界最高額はまさに桁違いです。
それは2015年にアメリカのラスベガスで行われたフロイド・メイウェザー・ジュニア vs マニー・パッキャオ 戦。
WBA・WBC・WBOウエルター級の3団体統一戦ということで注目を集めたこの試合は、PPV(ペイ パー ビュー)の放送権料も高騰。
その結果、メイウェザーのファイトマネーが約200億円、パッキャオのファイトマネーが約150億円で、総額350億円を超えるファイトマネーになったといわれています。
この年の「スポーツ長者番付」は、フロイド・メイウェザー・ジュニアとマニー・パッキャオが1・2フィニッシュ。
さらにフロイド・メイウェザー・ジュニアがこの2015年に記録した3億ドルの年収は「スポーツ長者番付」の歴代1位となっています。
ちなみに、歴代2位も2018年のフロイド・メイウェザー・ジュニアで、2億8500万ドル。
過去に年収が2億ドルを突破したスポーツ選手は彼一人です。
ボクシングのファイトマネーの仕組みは?
日本のボクシングのファイトマネーは、興業のスポンサーから支払われます。
タイトルマッチなどの大きな試合になると入場料、テレビの放映権料なども発生する仕組みになっています。
これら全てが選手のものになるわけではなく、所属ジムのマネジメント料を33%差し引いた残りの金額が選手の手取りとなるのが一般的です。
一方、アメリカではスポンサーに加えてPPV(ペイパービュー)が放映権を買う仕組みが定着しており、巨額の放送権料もファイトマネーとして選手に支払われます。
このためファイトマネーは視聴率の実績によって決まるのが一般的。
視聴率を取れるボクサーはファイトマネーの額が上がるため、特に人気のある挑戦者なら、チャンピオンよりファイトマネーが高いということもあります。
負けてもファイトマネーはもらえるの?
ファイトマネーって勝たないと貰えないというイメージありませんか?
私はずっとそうだと思って生きてきました。
しかし、ファイトマネーは試合の前に契約で決まり、勝っても負けても支払われます。
ただし、ファイトマネーを勝った方が総取りするような契約内容の場合は、負けるとファイトマネーは貰えません。
金額に関しては両者の契約内容によって異なりますが、通常はチャンピオン側の金額が高いことが一般的です。ファイトマネーの下限は6万円です。
特例として挑戦者が興行権を持つ場合は、ファイトマネーの取り分を決めることができるため、挑戦者側のファイトマネーが高くなることもあります。
大注目!井上尚弥のファイトマネーはいくら?

昨年7月に行われたWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、井上は王者のスティーブン・フルトン(米国)にTKO勝利を収めました。
両陣営に支払われた800万ドル(約12億6000万円)の中で、井上は報道によると「500万ドル(約7億9000万円)を手に入れた」とされています。
井上のファイトマネーは以前から億超えであることが判明しており、キャリアを積むごとにそのファイトマネーは高くなっています。
通常ボクシングは、階級が上がるほどファイトマネーが上がる仕組みです。
そのため、バンタム級(53.52キログラム)である井上のファイトマネーは破格の金額とも言われています。
先日、東京ドームで行われたネリ戦の井上のファイトマネーについて本田会長は「村田を超えているんじゃないの」と日本選手史上最高額になることを示唆しています。
つまり、10億円近くということです!
参考記事:井上尚弥、ファイトマネーは日本史上最高額に 入場料収入は「これまでの2倍以上」【ボクシング】
ボクシングのファイトマネー相場はピンキリ
肉体的にも金銭的にもハードな格闘技、ボクシング。
世界タイトルマッチを戦えるかどうかで、収入は天と地の差です。
夢のある華々しい世界である一方、生計を立てるために副業をしながらプロボクサーを続けているのがほとんどです。プロボクシングの世界は、肉体的にも金銭的にも厳しい世界なのです。
このような世界から生まれるチャレンジャーたちの今後の活躍にも期待が高まりますね!
コメント